高品質な高度化成肥料の製造・販売を半世紀にわたり展開
東南アジア諸国の農家やディーラーの信頼を獲得し、農業の発展に寄与
2026年4月3日
2026年4月3日
タイをはじめとする東南アジアの農業は、基盤産業として各国の経済成長と増加する人口の食を支えてきました。急速に進む人口の増加に伴う食糧需要の拡大への対応として、農業近代化による効率的な農業生産が求められており、そのためには高度化成肥料が不可欠です。
植物や農作物の生育においては、肥料の三要素と呼ばれる窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)が最も多量に必要とされる必須栄養素となります。N、P、Kのいずれかの栄養素のみが含まれているものを単肥、三要素の合計成分含有率が30%以上ありバランスよく効率的に農作物に栄養素を与えることができるものを高度化成肥料と呼びます。1900年代中頃、東南アジアでは、単肥による施肥が中心である一方、日本では高度化成肥料による生産性の高い農業が主流になりつつありました。
双日は、旧個社時代の1960年代まで、リン酸やカリウムなどの原料輸入や三国間取引を行い、トレーディングを中心に日本やアジアの農業の発展に寄与してきましたが、将来的には、東南アジアでも高度化成肥料が普及すると先読みし、1973年にタイで高度化成肥料メーカーとしてThai Chemical Public Co., Ltd(以下、TCCC)を設立しました。
そして、その経験を基に横展開し、1995年にはフィリピン最大の高度化成肥料メーカーAtlas Fertilizer Corporation(以下、AFC)に資本参加、同年にベトナムでJapan Vietnam Fertilizer Company(以下、JVF)を設立して、東南アジアにおいて肥料事業を拡大してきました。
更に2016年にはミャンマーに高度化成肥料の販売会社TCCC Myanmar Ltdを設立しています。
双日は肥料を使う農家の需要に応えるために、必要なタイミングで肥料を届けることを最も重視して、肥料事業を展開しています。現地の農家の声を聞きながら需要を予測し、販売計画から物流、生産、購買計画まで、効率的に事業を進めています。
ディーラーに対しても、きめ細かで誠実な対応を継続的に行っています。たとえば、ディーラーとともに地域で大規模な経営をしている農家向けにセミナーを開催し、双日の高度化成肥料を使用したことのない農家に肥料を試しに使ってもらい、高度化成肥料の普及活動を行う、施肥の効果について、収量の変化や売上の向上などを「見える化」してベストプラクティス(好事例)としてディーラーと共有し、次の販促活動に活用してもらう、といったことです。
さらに、農家を一軒ずつ訪ねて収集した土壌サンプルの分析を実施し、各農家の土地に適した作物の提案も行っています。こうした地道な活動を通して、徐々にファンを増やし、販売拡大につなげています。
双日は肥料成分が各国の法律で定められた成分基準を満たしていることはもちろんのこと、施肥効果に大きく影響する肥料の形状・大きさ・硬度といった粒状管理を徹底することで品質の高さを訴求し、農家の信頼を得ています。
その結果、農家からは高品質の高度化成肥料ブランドとしての評価を得ていますが、それに応じて模倣品が出回ることも多くあります。対策として、ウェブマーケティングを活用した正規品識別を行うことで、ユーザーが正規品であることを判別できる仕組みを構築しています。また、正規品でも不適切な流通ルートで商品が出回ることがあるため、肥料の袋にICタグを付けることでトレーサビリティを担保するなど対策を実施しております。
ユーザーとなる農家の信頼を守るためにも、模倣品対策や流通ルートの適正化は不可欠であり、それが更なる商品のブランド力の向上につながると考えています。
従来、タイ、フィリピン、ベトナムの農業は米作が中心でしたが、最近ではコーヒーやドリアンなど各国の気候や立地特性に合わせた様々な特産品が栽培されるようになっています。双日が生産・販売する肥料も、稲作向けが主でしたが、最近では、タイではドリアン、ベトナムではコーヒーといったような、国の特性に合わせた専用肥料も開発しています。
最近は大規模な稲作の現場ではドローンを使った施肥が導入されています。ドローンを使用すると肥料が均一に撒きにくいといった課題があり、こういった課題にも対応できる肥料の提供を実現していきます。生産品目や施肥方法などにおける農業現場のニーズを先読みした製品開発を行うことで、販売数量を向上させ、既存事業を磨き上げていきます。
また、DXを活用することで、肥料事業の枠にとどまらない、農業全体への貢献を目指し、取得した農家の栽培データをもとに、衛星写真を活用した農作物の栽培状況を確認できるアプリを開発。これにより、現場に赴くことなく、農作物の育成状況の一元管理化を叶え、最適なタイミングで最適な肥料の提案ができるようになり、より効率的な農業による農家の収入増が見込まれます。農家人口の減少や高齢化といった農家が抱える社会課題解決、農業の効率化に貢献するものとして期待されています。



